第26期委員長 挨拶
産業技術総合研究所労働組合
執行委員長 宝田晋治
産総研は特定国立研究開発法人として約2,200人の研究者が日々研究に取り組んでいます。エネルギー、環境、生命・人間工学、情報、材料、化学、エレクトロニクス等の幅広い分野におけるイノベーション創出を図るための研究開発、地質の調査、計量の標準等に関する業務を実施し、世界最高水準の研究開発成果の創出およびその普及・活用が図ることが求められています。さらにG-QuATを活用した企業支援による量子コンピュータビジネス加速化事業、標準化・認証スキーム基盤整備事業、技術革新に応じた法定計量制度構築のための計量技術開発事業、地域のイノベーション・エコシステム強化事業、国際頭脳循環イニシアティブに係る取り組みを新たに実施しています。昨今の物価の高騰による、人件費の上昇、研究経費の上昇により、研究現場では効率化以上の節約が強いられており、行うべき業務が行えないところまで既に来ています。運営費交付金全体の額は増えていますが、大型プロジェクトに資金が割かれ、社会を支えてきた大切な一人一人の研究業務に対する交付金は減る一方となっています。
セキュリティ情報化関連経費・人的コストが増大しており、研究者の研究セキュリティ・インテグリティを確保・管理するためにも、運営費交付金が欠かせない状況になっています。このような状況では、若い研究者らが取り組もうとしている将来の研究の芽が育たず、エンゲージメントが下がる一方となっています。契約職員の人件費について、外部予算から支出する選択肢もありますが、契約期間が短時間になってしまい、研究所として技術を身に着けた人材を逃すことになっています。無期転換の制度も導入されていますが、将来的な予算の目処が立たない外部予算では、無期転換の申請を受けいれることもできない状況にあります。
理事長メッセージ等でご存じとは思いますが、第6期の産総研経営方針実現にむけたアクションプランでは、産総研を「成長し続ける国研」として飛躍するために、質の向上と規模の拡大を進めるとしています。第6期末までに、民間資金、競争的資金、運営費交付金の割合を1:1:1とし、事業規模を現在の1100億円から2000億円にするとしています。そのために、第6期末までに競争的資金を現在の268億円から700億円にすると共に、民間資金を138億円から700億円に大幅に増やすと述べています。これは、公的研究を進める国の研究機関としてあるべき姿なのか今一度よく検討すべき状況だと思われます。また、イントラの内容が次々に改訂されています。一部良くなった面もありますが、申請から旅費が実際に振り込まれるまで1.5ヶ月近くもかかることがあるなど、使い勝手が悪くなったという意見も多数出てきています。 キャリア職員制度についても、いろいろな問題が出てきています。例えば、キャリアエキスパートは、原則兼務が認められておらず、これまで長年にわたり研究を続けてきた研究者のキャリアや資質、アイデンティティーをもっと尊重すべきであると考えます。
今後、理事交渉や理事長懇談会等を通じて、産総研幹部に労組からいろいろな意見をぶつけていきたいと思っています。一方で、産総研労働組合を取り巻く情勢は、組合員の減少など、ますます厳しい情勢になってきていますが、今後はより若い世代の方々への勧誘など、より一層組織拡大に努めると共に、産総研労働組合をより良い組織にできるよう、皆さんと組合活動を進めていければと思っております。
